●カットプロポーションスコープで見てみよう
4枚の写真はダイアモンドの表と裏(クラウンサイドとパビリオンサイド)からカットプロポーションスコープを使用して撮影したものです。左の2枚が輝きの理論に忠実にカットを施したもの、右の2枚は、原石の形にあわせ、なるべく大きくカラットが残るようにカットされたものです。どこに違いがあるかおわかりになれますか?そうです、まず紋様が全く違います。優れたカットが施されたものには裏側にハートが8つ、表からはアローが8本整然とバランスよく並んでいます。右側はアンバランスです。この差は、施されたシンメトリー(対称性)の正確さの違いから生じています。
下図をご覧下さい。
図はダイアモンドを横方向から見たものでグレー部分は本来削り落とされなければいけない余分なカラットを示し、緑色の部分が理想的なプロポーションを表しています。もちろんハート&アローダイアモンドは図1です。今回参考に使用している上の写真のアンバランスなカットのダイアモンドは図3のようになっています。図の説明からもこのダイアモンドがシンメトリーの悪さに加えプロポーションも深すぎる為に反射が弱く、薄暗い輝きしか発していないことがよくおわかりになることでしょう。図2のようなものも図3同様に鈍く弱い反射です。では、もう少しいろいろなダイアモンドを見てみましょう。
今度は、カットが優れているものから順番に並べてみました。段々とバランスが悪くなり暗くなっていくのがおわかりになることでしょう。施されたカットの違いがこのように「輝き」に多くの影響を及ぼしています。「カットプロポーションスコープ」は、個々のカットの違いをまさに人間の指紋のごとくひとつひとつを特徴的な紋様としてご確認いただけます。さらにプリズムスコープで七色の美しい輝きも鈍く暗くなってしまっていることをご確認いただけます。
それでは七色の輝きの違いを見てみましょう。
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